丹内祐次、初の地元リーディングへ「しがみついてでも」 3場そろって開催最終週、首位争い白熱
函館、福島、小倉と3場そろってラストウイーク。函館では先週6勝で開催リーディング首位に急浮上した丹内祐次(40)が自身初のタイトルを意識しつつ、週末に臨む。「第58回函館2歳S」はダイシンドラゴンの騎乗を依頼され、土日で計22鞍。生まれ育った地でもあり人一倍、思い入れが強い函館の夏を最高の形で締めくくる!また、6年連続9回目となる夏の福島リーディングが懸かる戸崎圭太(46)はここまで11勝でトップ。最終週は16鞍に騎乗し、2位・坂井(10勝)との首位攻防戦に決着をつける構えだ。
【函館】丹内のエンターテイナーぶりは“地元愛”を語る言葉に集約されている。先週6勝の固め打ちを「地元の風が吹いた」と味のある表現。函館リーディングの首位に立って最終週を迎える展開には「自分に力がないからファンの皆さまの力が必要です」「どんどん書いて、あおってください」とプレッシャーを歓迎、トーク力に磨きがかかっている。
実家は競馬場から徒歩圏内にある湯の川温泉郷の一角。産湯に漬かったのは名湯であることに違いない。「賞品は何もないはず」と苦笑いするが、函館リーディング騎手は「獲りたいタイトル」と公言する。
ローカル競馬場はこれまで福島、新潟、小倉で開催リーディングに君臨したが函館でその座に就いたことがないのは不思議。だからこそ「今まではチャンスがある位置にもいなかった。今年はトップで最終週。しがみついてでも獲りたい」と目の色を変えている。自身が12勝、2位の横山和は11勝でわずか1勝差。3位にも3年連続リーディングを狙う横山武がいるから油断ならないが、丹内は「土曜が勝負!(10Rの)マナボニートは大丈夫でしょう」と必勝級をPR。ファンが丹内応援団と化す知恵も持ち合わせていようか。
40歳、まさに円熟の境地の真っただ中。追い切り日の水曜はなんと14頭に騎乗、20代の若手からも聞いたことがないほどの頭数を平気な顔でこなしている。年齢的に疲れは?に「酒が少し弱くなったくらいで、体は元気」とニヤリ。
最高のエンディングは初の函館リーディング獲得に加え、「好感触!」と調教で手応えを得たダイシンドラゴンとコンビを組む函館2歳Sの重賞制覇。これほど真正面から話題に向き合ってくれる地元の鉄人を応援せずにはいられない。
《函館100勝あと4》丹内はデビュー3年目の06年夏に初めて函館で騎乗。その後、間隔が空いて10年以降は毎年、函館で騎乗している。先週6勝で区切りの函館100勝へ、あと4勝とした。96勝のうち、芝1200メートルの勝ち鞍が最も多く33勝。函館2歳Sは過去10戦で17年にウインジェルベーラで12番人気2着、20年にリンゴアメで10番人気Vと高配を提供した。今年は前走未勝利を快勝したダイシンドラゴンと初コンビを結成。熟知しているコースで相棒の力をフルに引き出す。
◇丹内 祐次(たんない・ゆうじ)1985年(昭60)11月5日生まれ、北海道函館市出身の40歳。函館競馬場の近くで生まれ育ち、騎手を志す。04年3月に美浦・清水美波厩舎所属でデビュー。同年4月10日、福島2R(スピードタイガー)で初勝利。JRA通算1万3136戦689勝、うち重賞9勝。1メートル65、47キロ。血液型O。
【福島】「競うから励みが生ずる」とは新1万円札の顔にもなった渋沢栄一の名言。ライバルは向上心を刺激し、パフォーマンスを最大限に発揮するエネルギー源になるとの意味である。福島リーディングの抱負を問われた戸崎が真っ先に口にしたのも1勝差に迫る若きライバルの名だ。「今年は瑠星(坂井)が福島に参戦したので毎週一緒に騎乗できて良い刺激を受けています。競う形になりましたが、負けたくない。いいリズムで勝たせてもらっているのでリーディングを獲りたい」
そう語るベテランのエネルギー源は「行者ニンニク」だ。疲労回復、滋養強壮に効果的なアリシンを豊富に含んだ北海道の山菜。「毎年、春になると、地方競馬時代の大先輩、石崎さん(石崎隆之元騎手)が北海道の山で採ったものを送ってくれるんです。冷凍しておけば秋まで持つので天ぷらやおひたしにして毎週いただいています。山に入ってクマと遭遇しないか、心配なのですが、僕のエネルギー源になっています」。行者(修験者)が荒行に耐える体力を保つために食べたことからその名がつけられたスーパーフード。戸崎は猛暑のリーディング争いにも耐える体力を養うために食べ続ける。
若いライバルと栄養価の高い山菜はベテランの心と体を支えるエネルギー源。クマに警戒しながら山菜を採ってくれる先輩の心づくしもエネルギーになっているのだろう。
【小倉】昨年16勝で2年連続5度目の夏の小倉リーディングに輝いた松山弘平(36)は5日の北九州記念でフリッカージャブを重賞初制覇に導くなど今夏も11勝で首位。3年連続へ、最終週は小倉記念のジーティーアダマンを含め、土日で計14鞍に騎乗する。
松山は「自分の中で小倉は相性がいいと思っている競馬場ですからね。今年もリーディングを獲れるように今週も頑張ります」と意気込む。2位・川田、3位・田山と4勝差。「今はトップでも逆転が可能なポジションに(他の騎手が)いますからね。最後まで気を引き締めて騎乗したい」と力を込めた。
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