ファンに愛される女子ゴルフ注目の若手・岡村咲 病と闘いプレー

[ 2015年8月13日 11:02 ]

ホールアウト後、ラウンド中終始付けていたマスクを外す岡村咲

 「咲ちゃん、頑張って~」。プロ4年目の23歳、岡村咲(スターツ)がティーオフを迎える直前には、ファンからこのお決まりのフレーズが飛び出す。それに頭を下げて岡村はティーショットを打ち、スタートしていく。なるほど、彼女には思わず応援したくなるような何かがある。

 いま、岡村は病気との闘いを強いられている。高校生の頃から原因不明の体調不良に悩まされ、極端な疲れやめまいなどがプレーに影響を与えた。これまで何度も病院に足を運んだが、原因は分からなかったという。そこで昨年1月に米国の病院に血液を送って検査をしたところ、症状遅延型のフードアレルギーと判明。口にできる食べ物は限られ、小麦、卵、乳製品などは一切禁止。極端な食事制限へのストレスからバームクーヘンをかじったが、直後に倒れて8時間も意識不明になった。現在は症状改善のためレーザー治療に取り組んでいるが、免疫力が低下するためプレー中もマスクが手放せない。

 それでも、岡村は泣き言を言わない。「確かに大変なこともありますが、私より重い病気で苦しんでいる方はたくさんいる。だって、私はこうやってゴルフをプレーできているんですから。私がプレーすることで同じように苦しんでいる方に少しでも勇気を与えることができていたらうれしい」。毎週のように3日間もしくは4日間の長丁場を戦うプロにとって体調管理は重要。病気によりそれがままならなくても、こうやって思いやりの心を持つことができる。本当に頭が下がる思いだった。

 ゴルフに対するこだわりも面白い。もともと「パッティングのスライスラインが苦手」だったことから、ある変わったパターを使い始めた。ピンパターの元祖「1―A」。59年に製造された年代物で打球音が「ピーン」と甲高く響く。これがゴルフメーカーのピン社の由来になったとも言われる。さて、このパターの特長は左右両打ちができること。通常は右打ちの岡村だが、スイッチヒッターのように左からも打つことができればスライスラインは気にしなくてもいい。「まだ実戦ではやっていないけれど、左も練習中です」と明かしてくれた。若返り著しい女子ゴルフ界において面白い若手の一人。ぜひとも皆さんの記憶にも留めてもらいたい。 (井上 侑香)

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