【甲子園】投手転向2年半の新田・築山朔弥 聖地に誓った「プロとして帰ってくる」志望届提出は見送り

[ 2026年8月10日 05:00 ]

第108回全国高校野球選手権第5日 1回戦   新田2―4花巻東 ( 2026年8月9日    甲子園 )

<新田・花巻東>5回、力投する新田・築山(撮影・中辻 颯太)
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 【縫い目の数に重なる夏~108回目のドラマ】ボールの縫い目の数と同じ108回目の大会。連載「縫い目の数に重なる夏」ではさまざまな思いを持った人々にスポットを当て、物語を紹介する。

 強打者そろう花巻東を苦しめた新田の築山朔弥(3年)は、中学まで捕手だった。それにもかかわらず、体験入学で新田を訪れた際に岡田茂雄監督に伝えた。「高校では投手をやってみたいんです」。勧誘を受けた全ての私学から野手として興味を示されていた。その中で唯一、投手として入学を認めてくれた同校へ進学を決めた。

 投手として始動する前に監督と約束した。「やる以上はプロを目指す」。痛みが出れば監督が病院を紹介してくれ、トレーナーと食事管理も行った。中3で1メートル83あった長身も生かし、次第に投手らしく変貌していった。

 しかし2年秋は四国大会初戦で敗退し、選抜出場が絶望的となった。そこで全国のレベルを知ろうと近畿大会を視察した。現地で見た大阪桐蔭の投手は全員が140キロを超えていた。「こういう相手と甲子園で戦うのか…」。当時の自己最速は140キロ未満。冬に体づくりに励んで最速144キロまで伸ばすと、NPBスカウトからも注目される存在になった。

 そして、花巻東に8回4失点と互角に渡り合った。しかし敗戦を受け止め、プロ志望届提出は見送ることに決めた。「勝てる投手になり、プロ野球選手として甲子園に帰ってきます」。投手転向から2年半。聖地のマウンドが、夢への思いをより明確にさせてくれた。 (河合 洋介)

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