ヤクルト・石川引退表明 歴代担当記者が見た25年の歩み

[ 2026年9月3日 05:25 ]

ヤクルト・石川雅規 引退会見

山野(左)と握手を交わす石川(撮影・村上 大輔) 
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 ≪まさに「陽」 聡子夫人と二人三脚≫数年前、夫人の聡子さんと偶然、食事の席で一緒になったことがある。明るくポジティブ。後ろ向きなワードは一言も出てこない。まさに「陽」の人。石川さんがグラウンドでどんなに落ち込むことがあっても、家で明るく照らしてくれるんだろうなと思った。

 その席で「また機会があれば、お願いします」とあいさつすると、「登板前日だけはダメなの。夫の食事を作るのが私の一番の仕事だから」と真剣なまなざしになった。青学大の同級生で、プロ2年目に結婚。背番号19が第一線で現役を続けてこられたのは、夫人のサポートあってこそだと改めて知った。

 後日、石川さんに夫人に会ったことを報告すると「ずっとしゃべってたでしょ?」とどこか照れくさそうだった。会見では「“辞めたい時、しんどくなったらいつでも言ってね”と25年間支えてくれた」と感謝。二人三脚で歩んだプロ野球人生でもあった。(21~23年担当・青森 正宣)

 ≪ファンへの思いやり忘れない人間力≫これほど人間力に感銘を受けた選手はいない。周囲へ気遣いを忘れず、ファンを大事にした。試合がない月曜日。神宮外苑で背番号19のユニホーム姿の少年に出会うと「俺のユニホームじゃん!ありがとね」と自ら歩み寄った。サインと写真撮影を終えても交流は続く。最後は「これからも野球頑張って。俺もまだまだ頑張るよ」とハイタッチで別れた。

 沖縄キャンプ中には出待ちのファンを見つけ「他の選手を待ってるのに、興味ない俺が近づいていったら逆に申し訳ないよね。“俺で良ければサインしましょうか”と聞いてきてもらっていい?」と頼まれたこともある。

 ネット上で自身に心ない言葉が向けられても「勝っても負けても何も言われない方が悲しいから。まだ関心を持ってくれてるって思えば、ありがたいよ」と受け止めていた。

 「3/188」の白星に立ち会えたことは忘れられない思い出。同学年として誇らしい気持ちにさせてもらえた。25年間、本当にお疲れさまでした。(24、25年担当・重光 晋太郎)

 ≪落語から“間”学ぶ高いアンテナ≫会見で長く現役生活を続けられた要因に「いろいろなものに興味を持ちつつ試行錯誤できたこと」と探究心を挙げた。今年1月から担当という短い期間でも、張り巡らされたアンテナの高さに何度も驚かされた。

 趣味の一つが落語と聞き、楽しみ方を聞くと「面白いのもあるけど、話の中の“間”が凄いなって思って聴いてるよ」と言った。娯楽を楽しむ中でも「僕らも“間”のスポーツで“間”の取り合いなので」と投球へのヒントを得ていた。

 記者の出身地を聞くと「三峯神社行ったことあるよ」と明かしてくれた。埼玉県秩父市の山奥にあり、都心からでは3時間ほどかかるパワースポットを知っていることに驚いたが「テレビで千鳥のノブさんが行ってるのを見て、行ってみようってなって」と笑った。「興味があったら取り入れてみる」。その行動力が、何ごとにも大事だと教えてくれた。(26年担当・小野寺 大)

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