Honda鈴鹿・井村勇介 クセの凄い変則投法で大会史上2度目の完全試合も「一つ勝ててホッ」

[ 2025年11月5日 05:25 ]

第50回社会人野球日本選手権1回戦   Honda鈴鹿1-0JR西日本 ( 2025年11月4日    京セラドーム )

Honda鈴鹿・井村の投球フォーム

 1回戦3試合が行われ、Honda鈴鹿の井村勇介投手(28)がJR西日本戦で完全試合を達成した。右手を折り曲げ、胸の前に当てる変則フォームから緩急を駆使。投球数は99球で9三振を奪い、2017年JR東日本東北の西村祐太以来、大会史上2度目の快挙。チームは7回に先制し、1―0で勝利を挙げた。NTT東日本、トヨタ自動車も初戦を突破した。

 最後の打者をカーブで三直に打ち取ると、井村は両手を高々と掲げた。1―0の9回2死。投手にとって最高の名誉である完全試合を達成しても、感情は別のところにあった。

 「素直にうれしいですが、全国で一つ勝てたことにホッとしました。もう少し点差があれば狙ったかもしれませんが…。記録はラッキーという感じです」

 右腕を折り曲げ、胸の前に置いてから投球する。クセの凄い変則投法だが、こだわりはない。「力の抜いた状態がそこになるだけです」。直球は140キロ前後ながら、カーブ、チェンジアップを軸に緩急を駆使。変化球を低めに集め、わずか99球で相手打線を翻弄(ほんろう)した。

 「3回を終えた時点でパーフェクトに気づきましたが、勝つためにどう抑えるかにだけ集中していた」

 雪辱に燃えていた。今夏の都市対抗は初戦のJFE西日本戦に先発も7回0/33失点で降板。チームは逆転負けを喫した。「他のエースは最後まで投げている。こんなんじゃダメだ」。大会後は横に曲がる速いスライダーを習得。投球の幅は広がり、大会史上2度目の快挙を後押しした。

 試合後は多数の報道陣から取材を受けた。「こんなに囲まれたことはない。この状況を見て凄いことをしたと思いました」。そう言って、最後にとびきりの笑顔を見せた。(森田 尚忠)

 ◇井村 勇介(いむら・ゆうすけ)1997年(平9)1月11日生まれ、愛知県瀬戸市出身の28歳。小1から野球を始める。高蔵寺(愛知)では投手兼ショート。至学館大から本格的に投手を始める。2019年にHonda鈴鹿に入社。最速は147キロ。1メートル74、76キロ。右投げ右打ち。

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