阪神・近本光司 “逆”療法で最多安打奪還や 「おろそかになっていた」左中間への安打増やす

[ 2025年12月29日 05:15 ]

打撃練習する阪神の近本(撮影・岸 良祐) 
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 兵庫県淡路島出身の阪神・近本光司外野手(31)と村上頌樹投手(27)が28日、故郷の淡路佐野運動公園室内練習場で自主トレを公開した。約2000人のファンを前に約3時間汗を流した近本は、5年契約1年目となる来季に意識を置く打撃テーマとして「左中間への打球」を設定。加齢による衰えにあらがう「走り方改革」と合わせ、“2つの逆行”で5年ぶりの最多安打奪還を期す。

 幾重にも重なるファンから無数の声援が飛ぼうとも、近本は自らに課した練習を貫いた。短尺バットで軽いボールを打ったり、試合用のバットをシーズン中よりも短く持ったり…。常に考え、飛躍へのカギを探す信念は、故郷でも不変。むしろ、強まってさえいる。

 「来年はショートの頭、左中間にしっかり打っていきたい。そこに打球を打てるようなボールへの入り方だったり、打球の捉え方だったりを今オフはやっていく。それを意識しながら練習している」

 過去には長打量産を念頭に置いた年もあったが「ここ数年は“こういう打球を打ちたいな”というのが、ちょっと違ってきた」。変化を恐れない男が26年の重要テーマに掲げたのは「左中間への打球」だ。プロ7年を終えた今、基本ともいえる「逆方向」を近本が強調する意図とは――。

 「意識しなくてもできていたのはあった。その(逆方向への)意識が自動化、運動学習できていたので“ちょっとおろそかになっていたのかな”と思っていたのがきっかけ」

 遊撃手の頭上を鋭く襲い、左中間を深々と破る――。何度も見たような弾道だが、今季は左中間への安打は3本だった。最多安打を獲得した21年は倍の6本。無意識の産物にすらメスを入れる探究心の塊。“原点回帰”こそ、5年ぶりの勲章へ一番の近道になる。

 「(来年11月に)32歳になる。走りという部分が凄く大事なので、しっかりと維持していけるように、向上できるように、より意識を高めていきたい」

 誰にでも訪れる加齢による衰えに逆行すべく、この冬は徹底的に足元を見つめ直す。今冬は関学大時代からタッグを組む植松弘樹トレーナーと、地面を強く踏みしめる「走り方改革」にも着手した。足や膝の動かし方、骨や筋肉への刺激の入り方にまで思考を巡らせ、年齢の壁を打ち破るベースを築いていく。

 「(走攻守で)元気に楽しく走れることが大事な競技。走れるからいろいろな幅ができてくる。長く年齢を重ねても、走っていけるような体でありたい」
 妥協なき一歩を繰り返し、逆境をはね返す。(八木 勇磨)

≪藤村富美男以来76年ぶりの快挙へ≫

 ○…阪神選手のシーズン最多安打は23年の中野まで13人が17度。複数回は藤村富美男2度(49、50年)、バース2度(85、86年)、マートン3度(10、11、13年)の3人。来季近本が2度目の最多安打なら日本選手で76年ぶり2人目。表彰対象となった94年以降では日本選手初になる。

≪新人から8年連続タイトルならプロ野球新記録≫

 ○…近本は21年の最多安打と19、20、22~25年の盗塁王6度とで、新人から7年連続タイトル獲得のプロ野球記録を保持。一方で過去には表彰対象外だった部門の“シーズン最多”を含めた場合、投手の江夏豊(神)も奪三振と防御率、勝利で新人の67年から73年にかけて7年連続でトップ。近本が来季タイトル獲得なら正真正銘のプロ野球新記録になる。

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