仙台大から「速い球」追い求め…佐藤幻瑛 ペンシルベニア州立大編入 将来の夢語る

[ 2026年7月22日 03:00 ]

取材に応じたペンシルバニア州立大の佐藤(撮影・杉浦 大介通信員)
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 昨年の日米大学野球選手権で最速159キロを計測し、一躍注目を集めたペンシルベニア州立大の佐藤幻瑛投手(21)がスポニチ本紙の単独インタビューに応じた。柏木農(青森)から仙台大を経て今年、米大学へ編入。来年のMLBドラフトを見据える右腕が、渡米を決断した理由や球速への飽くなきこだわり、将来の目標などを率直に語った。(聞き手・杉浦大介通信員)

 ――現在の生活は?

 「練習に参加し始めたのは5月20日くらいです。朝6時半くらいに起きて、8時から練習。その後に授業を受けて、終わったら自主練習という流れです。チーム練習は2~2時間半くらいですが、自主練でもやることはいっぱいあります。選手はみんなフレンドリーでいい感じですね」

 ――ペンシルベニア州立大を選んだ理由は?

 「代理人から『こういうルートがあるよ』と聞いて興味を持ちました。他にも候補はありましたが、学校や施設の話を聞いていいなと思ったので決めました。親も『行くなら頑張れ』という感じでした」

 ――元々、米国志望だった?

 「海外はいいなと思っていました。球速でも最速を投げているのはやっぱりメジャーの投手。自分も速い球が投げたくて、フォームもメジャーの選手を参考にしていました。自分が求める球速を追うなら、米国に来た方がいいんじゃないかなと。ただ、実際に編入を考え始めたのは去年の日米大学野球の後です」

 ――速球へのこだわりは?

 「子供の頃、バッターならホームラン、ピッチャーなら速い球を投げたいって普通に思うじゃないですか。それがずっと続いた感じです。子供の頃から速かったわけではないですが、目標を一つずつクリアしていったら、徐々に球速が伸びていきました」

 ――日米大学野球では165キロが目標と言っていた。

 「投げたいです。何ならそれより速い球を投げたいです。でも、まだ160キロも投げていないので、段階を踏んで、いずれ投げられたらいいなと思っています」

 ――現在の課題は?

 「フィジカル測定で右肩の筋肉が少し弱いと分かったので、そこを強くしています。他にも課題はいっぱいありますが、今は急ぐ時期ではないので、一つずつ取り組んでいます」

 ――指導は?

 「(投手コーチの)ウィルとフォードですね。フォームについて指導を受けています。ただ、まだ始まったばかり。自分が勝負するのは来年2、3月なので、これからだと思っています」

 ――一番自信がある球種は?

 「真っ直ぐでいきます(笑い)」

 ――家族構成と野球を始めたきっかけは?

 「兄と弟がいる3人兄弟です。兄が野球を始めて、お父さんと練習している姿を見て、自分もやりたくなりました」

 ――将来的にはメジャーへ?

 「今はメジャーですね。日本のプロ野球も素晴らしいですし、アメリカに来るという進路がなかったらプロ野球を目指していたと思います。でも今はメジャーに挑戦できる環境があるので、まずはメジャーを目指しています」

 ――メジャーが一番の夢というわけではない?

 「そうではないです。一番は球速なんです。165キロを投げられたらメジャーも見てくれるでしょうし、逆に球速が出なければ難しい。メジャーに行きたいからやっているというより、球速ありきです(笑い)」

 ――NPBドラフトの可能性もある。

 「指名されるかは分からないですけど、今はまずメジャーを目指しています。もし難しかった場合、日本のプロ野球に行くチャンスがあるならぜひ挑戦したいです」

 ――長く現役を続けたいという考えは?

 「長くやりたいというより、速い球を投げたいです。それを追い続けて、もう無理だと思ったらやめます。お金のためでもない。一番は球速です。野球人生は一度きりなので、そこを求めています」

 ――考え方はシンプル。

 「自分がうまくなるチャンスが目の前にあるなら、そこに全力で向かうだけです。一つずつ課題をクリアしていけば、自分の能力も上がっていく。そのために一番いい環境がアメリカでした」

 ――練習ではかなり投げ込んでいる。

 「投げて覚えるタイプなので、いつも投げています。肩も肘もケガをしたことはないので、とにかく投げます。ただ、スタミナはないです(笑い)。1イニングに出す力が強いのかもしれません」

 ――先発へのこだわりは?

 「ないです。リリーフの方が全力でいけます。でもドラフト1巡目を目指すなら先発しないといけない。長いイニングを投げられる投手になりたいです」

 ――今の目標は?

 「速い球を投げたいというのが一番です。そしてメジャーのドラフト1巡目全体1位を目指しています。難しいですけど、そのために周りも動いてくれているので、期待に応えたいと思っています」

 ――期待は重荷にはならない?

 「全然ならないです。チームメートも期待してくれているのは感じますし、それは凄くありがたいです。まだ何も成し遂げていないので、期待されるのは普通のことではない。素直にうれしいです」

 ――スタンフォード大の佐々木麟太郎、ジョージア大の石川ケニーとの交流は?

 「石川ケニーとはインスタのDMで少しやり取りしたくらいです。麟太郎とはまだないです」

 ――英会話は?

 「難しいです。授業はイヤホン型の通訳機を使っているので大丈夫ですが、普通に会話できるようになるには時間がかかると思います。もともとそんなにしゃべるタイプじゃないので、何なら話さなくてラッキーくらい(笑い)。『Hello』『See you』くらいです」

 ――田舎暮らしは?

 「都会よりこっちの方が好きです。青森出身なので、何もないところは故郷と似ています。野球にも集中できます」

 ――米国で行ってみたい場所は?

 「米国ではないですけど、カナダでオーロラを見たいです。自然が好きなので、死ぬまでに一回は見てみたいです」

 ――驚いたことは?

 「思ったより何も不便じゃなかったことです。俺ってどこでも生きていけるんじゃね?と思いました(笑い)。でも物価は高いですね。納豆が7ドルくらいしてびっくりしました(笑い)」

 ◇佐藤 幻瑛(さとう・げんえい)2004年(平16)12月17日生まれ、青森県出身の21歳。小3で野球を始め、柏木農業から仙台大へ。高校時代は無名だったが、大学で頭角を表し、昨夏の日米大学野球選手権では大学日本代表の3連覇に貢献。仙台大で3年を過ごしたあと、今年からペンシルバニア州立大に編入した。持ち球は直球、スプリット、スライダー、カット、シンカー、フォーク。3人兄弟の次男。1メートル80、90キロ。右投げ右打ち。

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