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岡田武史副会長の電撃辞任で問われるJFAの高潔性 インテグリティを揺るがすFIFA会長への対応

[ 2026年10月29日 12:00 ]

岡田武史氏
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 「インテグリティ」

 誠実さ、健全性、高潔さを意味するこの言葉は日本サッカー協会(JFA)が大切にしてきた指針だった。3月にはJリーグ、WEリーグ、両リーグに加盟する全72クラブとともに「日本サッカー倫理・コンプライアンスに関する共同声明」を発表。「高い倫理観と厳格なコンプライアンスの意識を持って職務を果たし、スポーツ・インテグリティの確保に取り組みます」と宣言している。

 インテグリティの喪失でサッカーの信頼を揺るがしたのが、国際サッカー連盟(FIFA)のインファンティノ会長だった。今夏のW杯北中米大会で蜜月関係にあるトランプ米大統領の介入により、米国代表FWバログンの退場処分が執行猶予になったことで批判が集中。その後、W杯を含めた大会運営などを担う子会社を設立して株式の一部を投資家に売却する計画を表明したが、猛反発を受けて撤回するドタバタ劇も起こした。

 一連の騒動を受け、FIFA理事であるJFAの田嶋幸三名誉会長は7月31日に声明を発表。子会社設立計画に対して「非常に残念に思います。FIFAカウンシルメンバーとして反対します」と反対の立場を鮮明にし、W杯についても「理解しうる説明のなされていないレッドカードの適用延期や、決勝での長いハーフタイムの実施など、競技規則に則って行われるべきサッカーの本来の価値は独立して守られるべきで、商業的な要素やその他外部からの影響を受けるべきではありません」と批判した。

 田嶋名誉会長の動きは早かったが、JFAとしての正式スタンスは示されなかった。宮本恒靖会長がインファンティノ会長に対する姿勢を表明したのは10月23日に都内で開催されたアジアサッカー連盟(AFC)の臨時総会後。AFCのサルマン会長が来年3月のFIFA会長戦でインファンティノ会長の再選を支持する方針を表明。宮本会長は「AFCと足並みをそろえるのか?」との質問に「そうですね。それがわれわれの基本的な立ち位置だと思います」と応じた。

 この翌日、10月24日付でJFA岡田武史副会長が電撃辞任した。辞任発表は同29日。JFAを通してコメントを出し「私はこれまで、スポーツは高潔であるべきだという信条のもと、その社会的価値を大切にしてきました。しかし、今回のFIFAワールドカップをめぐる一連の対応については、私自身の信条との間に大きな隔たりがあり、それを一人のスポーツマンとして受け入れることができず、このたびの決断に至りました」と理由を説明した。

 サッカーが脚光を浴びなかったJリーグ創設前の時代を知る田嶋名誉会長や岡田氏にとって、日本サッカー界の発展を根幹で支えてきたインテグリティを揺るがすJFAの判断は容認しがたいものだったのかもしれない。岡田氏は「AFCとの関係や日本サッカーへの影響を踏まえれば、AFCと歩調を合わせる方向性には現実的な理由があるものと理解しております」と皮肉ともとれる言葉でコメントを締めている。

 岡田氏の辞任を受け、あるJFA幹部が嘆いた。

 「JFAに高潔性がないと言うことだね」

(特別取材班)

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