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【田んぼ記者 挑戦記】(18)予想超えた収穫 驚き もちもちご飯に感涙

2023年11月14日 05時05分 (11月14日 10時30分更新)
秋の真っ青な空の下、太陽の光をたっぷり浴びさせた天日のじか干し。陽光が米をおいしく仕上げてくれた=富山県南砺市太美で

秋の真っ青な空の下、太陽の光をたっぷり浴びさせた天日のじか干し。陽光が米をおいしく仕上げてくれた=富山県南砺市太美で

  • 秋の真っ青な空の下、太陽の光をたっぷり浴びさせた天日のじか干し。陽光が米をおいしく仕上げてくれた=富山県南砺市太美で
  • 記者田んぼで育て上げ、ついに出来上がった玄米をじっと見つめて感激に浸った=富山県南砺市太美で
 富山県南砺市小院瀬見(こいんぜみ)のハート形の記者田んぼ。スコップの粗起こしに始まり猛暑や秋の長雨に苦しめられた米づくりも終わりを迎えた。いつもより長く感じたこの半年の締めくくりは殻を取り除いて玄米にする籾(もみ)すり。稲架(はさ)掛けやブルーシートに広げた天日干しで籾は程よい乾燥具合に。11月3日、米づくりの師匠、渡辺吉一さん(68)にお願いして作業を行った。
 稲刈りまでは極力、手作業でやり通した結果はいかに? 渡辺さんが自宅近くで借りている作業所で、固唾(かたず)をのんで見守った。
 脱穀に続いて今回も機械で自動的に玄米ができていく。ものの1時間ほど。あっさり答えが出た。良好な状態の玄米で94キロ余り。4アールの田んぼでは多いのか少ないのか? 判断できずにいると渡辺さんが何かを計算して教えてくれた。「初めての自然栽培にしてはたくさんとれている」と。
 通常、収穫米の量を比較したり共有したりする時に用いるのが「反収(たんしゅう)」。いわゆる1反(10アール)の面積当たりで何俵(1俵=60キロ)とれたか。記者田んぼの4アールに換算すると反収は4俵近くになる。結構な量らしい。正直、驚いた。
 田植えの際、苗と苗の間隔をかなり広めにしたし、苗が育つに従い分かれて増える茎の数も特段、多くはなかったと思う。だから、実は最後まで不安だった。ただ、一つの穂についた籾の数は多かった。理由は分からないが農薬も肥料も除草剤も皆無で育て、水管理にも手をかけてきたかいがあったのかもしれない。
 その夜、早速玄米を炊いて食べた。「もちもちっとしておいしい」と娘。この一言に心から安堵(あんど)したのか涙が出てきた。かみしめるようにたくさん食べた。
 でも、機械を使っていて考えさせられた。ちゃんと食べやすい玄米にするには籾殻をはがすだけでなく石や虫などのごみを取り除かねばならない。未熟米も除去対象。渡辺さんは自宅近くで借りている作業小屋にそのための機械を数種類備えている。合わせると400万円ほどにもなるそうだ。
 籾すりや脱穀も手でやる人のことはよく聞く。不穏な国際情勢の中で燃料がかかる機械にいつまでも頼れるのだろうか? 田んぼに感謝しつつ、これからのことに改めて思いを巡らせていきたい。 (中島健二) =おわり

【メモ】米の収量 農林水産省が公表する収穫量など一般的な収量データは、10アールあたりに換算した重量(キログラムやトン)で表示されるケースが多いが、昔から米など各種産物の取引の際に使われてきた計量単位の俵(現在は1俵=60キロ)で1反(10アール)あたりの収穫量がいくつになるかを表す「反収」が今も広く用いられる。水稲の反収はいろいろな考え方があるが、農薬などを使う一般的な慣行栽培では8~10俵ほど、自然栽培ではうまくできても5~6俵ほどとの見方がある。


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