44年ぶりのワールドシリーズ進出に沸くミルウォーキー 親から子へ受け継がれた街の歴史と野球への愛情

[ 2026年10月25日 08:00 ]

大観衆が詰めかけたミルウォーキーのアメリカンファミリー・フィールド(AP)
Photo By AP

 ブルワーズが44年ぶりにワールドシリーズ進出を果たしたミルウォーキーは、街全体が歓喜に包まれている。米スポーツ専門局「ESPN」電子版は24日(日本時間25日)、現地ルポを掲載。1982年以来の大舞台を迎えた市民の喜びと、世代を超えて受け継がれてきた野球への愛情を紹介した。

 人口規模で全米31位のミルウォーキーは、かつて製粉所や工場が立ち並んだ工業都市だ。地元の歴史家ジョン・ガーダ氏は、82年のブルワーズについて「ブルーカラー的な雰囲気があった」と振り返る。当時の街は脱工業化が進むなか、ゴーマン・トーマスやロビン・ヨーントらの姿に自分たちを重ね合わせたという。

 その歴史はさらに古い。57年にはミルウォーキー・ブレーブスが強大なヤンキースを破って世界一になった。ガーダ氏は、2026年のブルワーズがドジャースを倒した快挙を重ね合わせ、「この街とチームに共通しているのは、気取らないところ。目立ちたがり屋がいない。だから、この街によく似合う」と語った。

 44年という歳月は、人々の人生も変えた。82年当時、9歳だったスティーブ・ライペルさんは、ワールドシリーズ敗退を知って泣いた。母親は「またきっと戻ってくるわ」と慰めた。そして53歳になった今年、母親に「ようやく、お母さんの言ったとおりになったよ」とメッセージを送った。

 一方、すでに亡くなった家族を思い出す人も多い。父親と毎年ブルワーズとNFLパッカーズの開幕戦を観戦していたライアン・ワイスさんは、2023年に父を亡くした。今回のリーグ優勝を見届け「いま、父がここにいてくれるなら、いくら払ってもいい」と語った。

 チケット価格が高騰し、誰もが球場に入れるわけではない。それでも街にはブルワーズの旗がはためき、バーや広場は歓声に包まれる。ある市民は「まだ自分の頬をつねっている。本当にこんなことが起きているなんて信じられない」と話した。記事は、44年ぶりのワールドシリーズ進出が単なるスポーツの勝利ではなく、街の歴史と家族の記憶をつなぐ特別な出来事であることを伝えている。

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