【WS舞台裏③】「Win Our Way」ブルワーズ103勝の秘密 選手が明かす「自分達の形」の真髄

[ 2026年10月25日 14:00 ]

アメリカンファミリー・フィールドの至る所に「WIN OUR WAY」の横断幕が掲げられている(撮影・杉浦 大介通信員)
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 ブルワーズが今ポストシーズンに掲げるスローガンは「Win Our Way(自分たちの形で勝つ)」。映画「メジャーリーグ」にも出演した地元ミルウォーキー出身の名アナウンサー、故ボブ・ユッカー氏の言葉に由来する。球団広報によると、パット・マーフィー監督は今春のキャンプから、このフレーズを選手たちに浸透させてきたという。資金力に限りのあるスモールマーケット球団が、スター選手に頼らず勝ち続ける。その独自の野球を象徴する言葉だ。

 では、ブルワーズが貫く「自分たちの形」とは何なのか。昨年、イチロー氏が「頭を使っている野球」と高く評価したことでも注目されたが、その真髄を選手たちに聞いた。

 内野手のジョーイ・オルティスは「勝負にこだわる野球だと思う」と説明。「泥くさく、闘う姿勢を持つこと。僕たちはいつだって、どんな試合でも勝てると思っている。その日、その場面に集中する。それが僕たちのやり方だね」と力を込めた。

 救援左腕のDL・ホールも「泥くさい」「勝負にこだわる」という言葉を使った。

 「僕たちは泥くさいチーム。どこかの段階で見過ごされてきた選手たちが集まり、自分たちの名前を知らしめようとしている。派手さはないけど、やるべきことをやり遂げる。そして、みんなで互いを支え合いたいと思っているんだ」

 剛腕ジェーコブ・ミジオロウスキーら一部を除けば、全国的な知名度を誇るスターは決して多くない。それでも一人一人が役割を理解し、勝利のために献身的なプレーを続ける。2人の言葉には、そんなチームの気風が表れていた。

 ベテラン内野手のアンドリュー・ボーンは、より具体的にプレースタイルを説明してくれた。

 「僕たちはしっかりとしたプランを持って試合に臨むんだ。投手板から本塁までは60フィート6インチ(約18・44メートル)、塁間は90フィート(約27・43メートル)。それはどのチームにとっても同じ。大切なのは毎日、細かいプレーを正しくこなすことに集中すること。走者を出し、進塁させ、本塁にかえす。そういう場面でしっかりと仕事をする。それに尽きると思う。それが僕たちだから」

 今季のチーム本塁打154本はメジャー28位タイ。一発長打に頼るのではなく、犠打や機動力も駆使して走者を進め、1点をもぎ取る。打撃、走塁、守備、投手力を組み合わせた総合力で、今季メジャー最多の103勝を挙げた。

 共通していたのは、派手なプレーや個人成績よりも、目の前の勝負で自分の仕事を果たすという姿勢だった。ボーンが語った「走者を出し、進塁させ、本塁にかえす」という基本の徹底。それを162試合にわたって積み重ねた先に、44年ぶりのワールドシリーズ進出があった。

 目指すは球団史上初の世界一。最後まで自分たちの野球を貫き通せるか。「Win Our Way」の真価が問われる舞台にたどり着いた。(ミルウォーキー・杉浦大介通信員)

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