【玉ノ井親方 視点】大の里は本来の相撲勘が戻っていない 義ノ富士はうまい相撲を取った

[ 2026年1月14日 19:47 ]

<大相撲初場所4日目>上手投げで大の里を破る義ノ富士(右)(撮影・西海健太郎)
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 入幕4場所目の義ノ富士が横綱を相手にうまい相撲を取った。

 立ち合いの当たりは横綱に分があった。大の里に得意の右差しを許し、前に出てこられた。流れは完全に横綱にあった。

 だが、左で上手を引くと、素早く左に回り込んで投げを打った。その動きに、大の里の左足がついていけず、バランスを崩し横転。土俵下で茫然(ぼうぜん)とした表情を見せた。

 義ノ富士の勝因は横綱に左を使わせなかったこと。右四つになったところで横綱は“しめた”と思ったはず。しかし、義ノ富士の左に回り込む足の送りが絶妙で、流れるような投げが決まった。

 横綱が左を使うことができていれば、展開は違っていた。だが義ノ富士に左に回り込まれて、おっつけようにも左が相手の体から遠ざかってしまい、右だけで取る形になってしまった。

 義ノ富士は最初からそれを狙って取っていたわけではないだろうが、とっさにそうした対応ができるところが相撲センスの良さだ。
 休場明けの横綱はまだ本来の相撲勘が戻っていないようだ。良い時の横綱ならもっと違う展開に持ち込めた可能性もある。そういう意味では、ケガの影響もあったのかもしれない。

 この日は安青錦に琴桜、大の里に土がついて横綱、大関陣に全勝がいなくなった。初場所は寒さが厳しくなって、体調管理が難しくなるうえに、正月を挟むことで、調整のリズムも狂いやすい。年のはじめの場所で、気持ちは入るが、それが空回りしやすいのも気をつけなければならないところだ。
 (元大関・栃東)

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