【Sスケート】高木菜那さん「美帆」と涙のハグ「もう、強くあり続けなくてもいいよね」

[ 2026年2月22日 05:01 ]

ミラノ・コルティナ冬季五輪   女子1500メートル ( 2026年2月20日    ミラノ・スピードスケート競技場 )

女子1500メートルのレースを終え、姉の菜那さん(左)と写真に納まる高木美帆
Photo By 共同

 女子1500メートルで2大会連続銀メダルの高木美帆(31=TOKIOインカラミ)は1分54秒86で6位に終わり、本命種目で悲願の金メダル獲得はならなかった。500メートル、1000メートル、団体追い抜きで銅を獲得し、夏冬通じ日本女子最多の通算メダル数を10とし、4度目の五輪を終えた。

 スピードスケート女子の五輪金メダリスト、高木菜那さん(33)は解説者として迎えた初五輪で妹のレースを見守った。インタビューゾーンでは固いハグをかわして妹の涙を誘うと、最初は「高木選手」だった呼び方は「美帆」と変わり、思いの丈を語った。

 「言葉をかけずにハグしました。強い美帆をずっと見せてきてくれたので。姉として、本当にここまでの道のりをよく頑張ったと思いますし、もう“強くあり続けなくてもいいよね”のハグでした」

 4年前の北京大会まではチームメートとして誰よりも近くで見守ってきた。引退後もそれは変わらず、昨年10月ごろは「正直、本当にどうなるのかっていうくらいのメンタルだった」と明かす。今季は強みだった残り1周の粘りがなく、それでも攻めのレースを貫いた。「もしかしたら(力を温存したら)3番は見えたかもしれない。でも、その3番よりも、誇れるレースになったんじゃないかな」と妹の姿勢を称えた。

 かつては「金メダルを獲りたい」などの言葉を決して口にせず、求道者然として滑りを極めてきた。その妹が4年前に本命種目で頂点を逃し、明確に金メダル獲得を公言して4年間取り組んできた。「感情を表に出す子ではない。声に出して戦うのは、相当な覚悟だったと思います」。妹の変化と覚悟を感じているからこそ、姉にとっても悲願の金メダルだったが、届かなかった。

 「解説はしっかりやると決めていましたけど、それ以外では全て美帆のことを思ってました。自分の足でいろんなものを切り開き、この4年で美帆は本当に成長した。よく戦い抜いた」。最後は100%姉の顔になり心の底から妹をねぎらった。

 《帯広南商高の恩師・東出さん「100%正解」》高木の北海道・帯広南商高時代の恩師、東出俊一さん(69)は4年間の歩みについて「メダルを獲ろうと獲れまいと、100%正解」と評した。23年春に高木は「チーム・ゴールド」を発足。その前に連絡を受け「自分で選択したんだから、それで良い」と返した。15年から師弟関係のデビット氏も「世界一のコーチ」と認めており「2人でやるのは自然な姿」と語った。
 高校卒業後の進路は実業団、大学の約10チームから話を全て聞き、最終的に日体大に進路決定。「自分で選択しないと納得できない性格」と言う東出さんは「北京五輪後は過酷だったと思う。特に直近1、2年はつらかったと思うが、真摯(しんし)に取り組む選手なので」と本人の努力を思いやった。

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