阪神・高寺望夢 無安打で迎えた6打席目“森下バット”でV2ラン「心が折れそうになったけど…良かった」

[ 2026年9月23日 01:15 ]

セ・リーグ   阪神9─7ヤクルト ( 2026年9月22日    神宮 )

<ヤ・神(22)>延長11回、勝ち越しの2ランを放ち、ガッツポーズの高寺(撮影・亀井 直樹) 
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 阪神は22日のヤクルト戦(神宮)に延長11回の末に9―7で競り勝った。延長11回無死一塁で6番・高寺望夢内野手(23)が右翼席へ値千金の3号決勝2ラン。打席に向かう直前に森下のバットを借りて劇的弾が生まれた。チームは2日連続で4時間超えの延長戦を制し3連勝。2位・巨人が敗れたことでゲーム差を1・5に広げ、球団初のセ・リーグ連覇へ優勝マジックを2つ減らして「8」とした。

 夜10時を過ぎ、神宮球場に鳴り物は響かない。それでも三塁側から左翼席をびっしりと埋め尽くした虎党からはメガホンと手拍子、そして大声援が降り注いでいた。「遅い時間まで応援していただいていた」。試合を決めたのは森下でも佐藤輝でもない。6年目の高寺だった。

 「(今日は)ちょっと打てなさすぎた。もうなんかここで打てなきゃやばいなと思って、打ちました」

 無安打で迎えた延長11回無死一塁の6打席目。カウント1―1から清水の外角直球を完璧に捉えた。乾いた打球音とともに飛び出した白球は右翼席へ飛び込んだ。勝ち越しの3号2ラン。放物線を描くまで凡打にバント失敗も重ねていた。表情に出すことはなくても、打席内では必死だった。「次につなごうと思って打席に入りました」。それでも全てこの劇的弾で報われた。試合に決着をつけたのは藤川監督から「宇宙人」と言われる、意外性の男だった。

 「心が折れそうになったんですけど、ほんとに。でも最後打てたので良かったです」

 わらにもすがる思いだった。本塁打を打つ直前、打席に向かう前に森下の元へ歩み寄った。「ほんとそれまでがダメダメだった。気分転換ですね」。佐藤輝と本塁打王を争う先輩のバットを借り、アーチをかけた。ユーティリティープレーヤーとして今季は外野全ポジションと二塁もこなす。休日には「Nintendo Switch」の「スプラトゥーン」を気分転換で行えないほど疲労がたまっていても、優勝を左右する一戦でのV撃でチームを救った。藤川監督は、高寺起用の意図を説明した。

 「今日はちょっと前川の状況も100%ではなかったので、急きょ、(スタメンを)変更した。ベンチ入りの投手を10人にしていたので、野手のベンチ入りの数も限られていた。状況によっては(交代)、というところですけど、いいスイングでしたね」

 本塁打は高寺にとっては幸運も重なった。「(まだ)成長はしていないですけど、もっと打てるように」。まだまだ物足りない。高寺は表情を引き締めて、グラウンドを後にした。(石崎 祥平)

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