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寺地拳四朗が涙の3階級制覇!“原点回帰”で復活戴冠「日本人初の3階級2団体統一王者になる」

[ 2026年7月20日 20:24 ]

WBO世界スーパーフライ級王座決定戦   同級3位・寺地拳四朗(BMB)<12回戦>同級4位 イスラエル・ゴンサレス(メキシコ) ( 2026年7月20日    東京・両国国技館 )

3階級制覇を達成し感極まる寺地  (撮影・西海健太郎)
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 プロボクシングWBO世界スーパーフライ級3位の寺地拳四朗(34=BMB)が同級4位イスラエル・ゴンサレス(29=メキシコ)を判定3ー0で破り、ライトフライ、フライ級に続く3階級制覇を達成した。日本男子の3階級制覇は史上8人目となった。

 強い拳四朗が帰ってきた。1Rから“原点回帰”の左ジャブを中心に上手く距離を制した。2Rには右のクロスカウンターで先制のダウンを奪った。3Rには右フックで相手をぐらつかせる。その後も臆すること無く右カウンターが顔面を捉える場面も増えた。

 4R以降も相手が距離を詰めて手数が増えてきても上手く戦った。試合終盤になると、左ジャブを有効に相手と激しく打ち合う場面もあった。その中で最終Rには右ストレートで2度目のダウンを奪った。12Rを戦い抜いて、激闘の末に117―109、116―110、115―111と判定3-0で3階級制覇を達成した。

 試合後には歓喜の涙があふれ出た。「めちゃめちゃ嬉しくて、泣きそうで頑張ってこらえたけど、ちょっと出ちゃったっていう感じでした」と苦笑い。

 「昔に戻って、ジャブを意識して出入りしながら相手の距離をつかませない。原点に戻った感じだった。練習していたフックからワンツーがキレイに入った印象が強かった。すごい気持ち良かった」と試合を総括した。

 今後については「3階級で2団体統一した人はいないらしいので、僕が日本人初の3階級2団体統一王者になってみせる。楽しみにしていてください」と宣言した。

 最後に「負けてから次の試合が流れて、本当にドン底に落ちた。でも人間はドン底に落ちれば落ちるほど、上がった時の景色はすごく気持ちいい。みんなも心を折れないで頑張っていきましょう。僕も負けずに頑張るので、皆さんも一緒に頑張っていきましょう」と支えてくれたファンへメッセージを送った。

 昨年7月にリカルド・サンドバル(米国)に判定負けしてフライ級の2団体統一王座から陥落。この試合が1年ぶりの再起戦で、スーパーフライ級での昇級初戦だった。実績的には寺地が格上だったが、陣営は「覚悟が必要」と細心の注意をして臨んだ。

 父の永会長(62)は「今まで以上に慎重に、油断なく」と覚悟の意味を明かした。「足を使って、ジャブを突く、原点のボクシング」。タフネスに頼み、打たれても打ち返すスタイルからの脱却がテーマだった。

 永会長は「京口戦からハイブリッドに変わってしまった」と振り返る。22年11月に京口紘人(ワタナベ)とライトフライ級の統一戦を行い、7回TKO勝ちした。WBAスーパー王者の京口戦に備え、それまでの「原点」のボクシングから打ち合いもできるスタイルに変えた。快勝したことで、その「ハイブリッド」が寺地のスタイルになっていた。

 この1年の苦難も、寺地に変化を促した。昨年12月、サウジアラビアで当時のIBF世界スーパーフライ級王者ウィリバルド・ガルシア(メキシコ)に、3階級制覇を懸けて挑む予定だった。しかし、試合前夜に王者が体調不良を理由に試合をキャンセル。前日計量をパスした後の不可解な出来事だった。

 ショックのあまり、寺地は人目もはばからず、涙を流した。しかし、スーパーフライ級転級の準備期間をとらえ、フィジカルトレーニングを取り入れて体づくりをしてきた。3階級制覇の体はできあがっていた。

 ショックを乗り越え、原点回帰で3階級制覇を達成した寺地も、34歳。「ここからは最終章です。バンタム級には上げない」と4階級制覇を狙うつもりはない。秘めているのが、国内初となる3階級での統一王者だ。

 ライトフライ、フライ級で統一王者となっている寺地は、スーパーフライ級でも王座を統一すれば、井上尚弥(大橋)の2階級統一王者(バンタム、スーパーバンタム)を上回る。「いいモチベーションになる」。苦難の1年を乗り越え、寺地は柔らかな表情で最終章の扉を開いた。

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